水槻かるらの乱読

かるらが来たりて記事を書く

『暗闇の中で子供』舞城王太郎

デビュー作「煙か土か食い物」の続編であるということを知らずに読み始めてしまったので、またあの暴力一家が出てきた時は驚いた。というか、超うれしかった笑

 

彼の文章は読点が少なくて、区切りが少ないからとにかくスラスラ読める。なんというか、液体を一気飲みする感覚に近いかも。人によってはあの文体が苦手だろうけど、僕は大好き。

 

それと、僕は「本を読んで吐き気を催す」という経験を久々にした。

初めて本を読んで本気で吐き気を催したのは、甲田学人の『断章のグリム』、それから鎌池和馬の『新約とある魔術の禁書目録4』、それから小林泰三の…この話はいいや笑

でも今回はとにかくレヴェルが違った。言わずもがな二郎の暴力描写なんだけど、あの犬のち〇ぽのシーン、ほんと最悪。おかげで僕はその日、ずっとなにかが喉につっかかってるような感覚が抜けなかったし、直前にファミマで買った午後の紅茶ミルクティーを飲むのも不快だった。

 

この作品、どうやら文庫化されてないらしい。そりゃそうだ、人に勧められないもん!

僕はこの作品が大好きで、僕のなかでは「煙か土か食い物」に続き120点だけど…

回収されない伏線とか、唐突に挟まれる趣味の悪い絵とか、もう作品そのものが暴力!

暴力暴力また暴力!すごい、とにかくすごい。それしか言えない作品でした。